2009年にビットコインが運用されて以降、ビットコインの価格は大きく上昇してきました。
2020年には、2018年に記録した高値を超え、最高値を更新しています。
当時も今も、投資家はみな「ビットコインはどこまで上昇するのか?」と疑問を抱いています。
そこでこの記事では、PlanBというオランダの投資家が2018年に提唱したビットコインの将来価格を予想する「ストックフローモデル(物の希少性)」について解説し、将来のビットコイン価格が現在の価格よりも高い可能性について考えます。

ちょっと難しい説明になるから、困ったら”ゆとりの言葉”に注目ワン!
もくじ
希少なものには価値がある

一般的に、希少な物ほど価値があると言われます。
ここで言う希少性とは、単純に地球に存在する量のことではなく、その物を作るのに多額の費用がかかるために増産が困難である状態について言います。
簡単に作れるものは希少とは言えず、そういうものほど価格は安くなる傾向があります。
希少価値が高い物の例としてあげられるのは、「金(ゴールド)」です。
昔も今も金(ゴールド)は高価な物として認識され続けており、時が経ってもその価値は変わりません。
それは、金を製造するコストが非常に大きく人々は製造しないので、金の存在量は変わらなくなり、結果的に希少性が高い物質となっているからです。

たしかに成果に見合った報酬が貰えないと製造したくないピヨ
さて本題のビットコインについて見ていきましょう。
ビットコインは、実はその製造に膨大な設備と電力が必要です。
そのため、ビットコインも製造するハードルが高く、その結果希少性が高いと言われています。
しかも、ゴールドとは異なり、ビットコインは通信網によって送信することができる利点もあります。
希少であり送信可能である。
こうした性質がビットコインを価値あるものとしていると考えられます。

さて、希少性については少しお分かりいただけたと思いますが、定量的に示すことができれば、今の価値が高いか安いか判断できます。
希少性の指標の1つとして「ストック対フロー」があります。
ストック対フロー(Stock to Flow; SF)は、1年間の新規供給量に対する現在の備蓄量で表されます。
ストック対フロー = ストック(現在の備蓄量)/ フロー(年間の新規供給量)
この指標を世の中の資産に当てはめると、SF値が大きいほど、市場規模が大きいことが分かります。
時価総額(ドル) | SF | |
ゴールド | 84,175億 | 62 |
シルバー | 3,080億 | 22 |
パラジウム | 120億 | 1.1 |
プラチナ | 24億 | 0.4 |
この中で1番高いSF値はゴールドは62ですが、これはつまり、現在のゴールドの備蓄量と同じ量を生成するのに62年かかることを意味します。
同様に、シルバーのSFは22と比較的大きい値となっています。
一方、パラジウムやプラチナのSFはそれぞれ1.1と0.4と、大きく低下しています。
つまり、金や銀が高い時価総額(=高い価値)を持つ理由は、その高いストックフローによるものと言えます。
言い換えると、貴金属の市場規模はストックフローから類推することができます。

ストックフロー(SF)の数値は、希少性を表すもの。
数値が高いほど希少で、時価総額も高いピヨね
ビットコインのストックフロー

貴金属のストックフローと市場規模の関係性は、実はビットコインにも当てはまります。
これは、2018年にplanBと名乗るオランダの機関投資家によって提唱されたものです。
ビットコインは約10分に1回のペースで新たに発行されていますが、その総供給量は2,100万ビットコインと上限が決まっていて、それ以上は作れません。
それに加えて、ビットコインを作るとその報酬をビットコインの形で貰えますが、その報酬額(=ビットコイン数)は4年に一度、半減するように設定されています。
報酬として渡されるビットコインというのは新規供給されるビットコインのことなので、報酬の半減は新規供給量のペース半減を意味します。新規供給量が減るので、先ほどみたストックフローの値を倍増させる働きがあります。
このようにビットコインは4年に一度、ストックフローの値が大きくなるように設計されているのです。(このタイミングのことを「半減期」と呼びます)

さて、前置きが長くなりましたが、冒頭で書いたように、貴金属に当てはまるストックフローと市場規模の関係性は、実はビットコインでも成り立ちます。
実際に、これまでのビットコインの時価総額とストックフローをグラフ上に点で表すと、見事に1本のトレンド線が引けます。(統計学的な話ですが、トレンド線のR2値は0.95なので、ビットコインの時価総額の値動きの95%はストックフローで説明がつきます)
グラフはPlan Bのデータと、2009年11月から2020年11月の時価総額の月次データを使用して作成しています。

興味深いのは、このグラフ上にゴールドとシルバーを乗せると、その2つも見事に直線上に乗ります。
つまり、ビットコインも貴金属のようにストックフローから時価総額を予想できると考えられます。
上で求められたトレンド線の式はビットコインの時価総額に関するものですが、時価総額は (BTC価格)×(BTC備蓄量)で表されます。
すなわち、将来のBTC備蓄量を用いれば将来のBTC予想価格も導くことができます。

ビットコインの発行量には上限(2100万)があって、新規発行した人には報酬を貰える。(約10分に1回のペースで発行されている)
でも、報酬は4年に1度半減する。(=新規発行量のペースが減り、ストックフローの数値と時価総額が上がる)
ビットコインの過去の時価総額とストックフローを点で表すと、1本の線上にあることが分かる。
金や銀などの貴金属もこの線上にあることから、ビットコインの備蓄量を用いれば将来の価格も分かるってことピヨね!
ビットコイン価格モデルの検証と将来価格の計算

ビットコイン価格のモデルが、過去の価格推移に一致するか、そして将来価格の予想に使えるか、見てみましょう。
PlanBのデータを用いて作成したものが次になります。
記事の通り、実際のBTC価格に非常に近い形状になっています。

予想価格の線は半減期を境に10倍程度上がりますが、実際のビットコイン価格も同様の動きになっています。
次の数年でビットコインがいくらになるかを把握するため、2020年以降を拡大したグラフが下になります。

次のターゲット価格を確認すると、10万ドル前後であることが分かります。2020年1月6日時点でのBTC価格は$4万ドルであるため、このモデルが正しければ、上昇余地はまだ2倍以上あるように見えます。
また、PlanBは今回の価格推移をこれまでの半減期後の価格推移とも比較していますが、現在の上昇はこれまでの推移に類似していると示しています。
さらにもっと先を見ると、2024年の半減期以降では100万ドル(現在価格の33倍)に達する計算です。
(最近の有識者によるビットコイン価格予想も合わせて図に書き込みました)

今回の上昇相場に出遅れたと感じても、次回の半減期以降を見据えて投資をするという戦略も考えられます。
高騰している今、投資を始めても問題ないのかもしれませんね。
ただし、これらはあくまで「予想」や「モデル」です。
投資を行う根拠にはせず、今後の価格推移の「1つの可能性」と捉え、考えるきっかけにして欲しいと思います。

過去のデータに基づいたグラフを見ると、ビットコインはまだまだ成長する可能性が高いピヨ♪
でも、あくまで1つの可能性だということを考えて投資をすることが大事ピヨ!
まとめ

この記事では希少性を元にビットコインの価格を予想する「ストックフローモデル」について解説しました。
このモデルは過去の値動きとストックフローを元に作成したモデルであるため、今後ビットコイン価格がこの通り動くことを約束するものではありません。
しかし、2019年までの価格推移はこのモデルで説明でき、その後の価格推移もモデルに沿うように進んでいます。
今後のビットコイン価格の1つの可能性として、皆さんが投資戦略を考える際の参考にしてみてはいかがでしょうか?

ここ1、2年でビットコインに投資をする人がかなり増えてきたワン
今後も成長する可能性が高いなら、投資先の1つに入れてみるのも良いと思うワン
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仮に現在が今回の上昇相場の頂点であったとしても、ドルコスト平均法なら次の上昇相場で大きなリターンを狙うことも可能です。

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※ 取引量については2020年2月20日 CoinMarketCap調べ、セキュリティについては2018年10月3日 ICORating調べです。
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