さて、投資の勉強をしていると「ドルコスト平均法」という言葉がよく使われています。
ドルコスト平均法とは、定期的に金融商品を同じ金額で積み立てて買う方法です。
この記事では、ドルコスト平均法の原理と、投資を行う上で有利な手法だという理由をご紹介します。

これから投資をする人には、ぜひ覚えてほしいワン
もくじ
ドルコスト平均法ってなに?
金融商品は、毎日価格が変動しています。
投資が好きで、毎日毎時間、価格を見ながら自分の好きなタイミングで買いたい方はそれでも良いですが、ほとんどの方は「投資にそこまで時間を割きたくない!」「いつ買えば良いのか分からない!」「数字が多くてめまいがする」など悩んでいるのが現状…
そこで、定期的に(毎日or毎週or毎月)金融商品を同じ金額で積み立てて買うことで、価格が安い時にはたくさん買い、価格が高い時には少なく買うことができるのが「ドルコスト平均法」なのです。
まだピンと来ない方に具体例を出しましょう。
毎月1万円を積立しているAさんがいるとします。
Aさんは1月から5月まで毎月1万円を投資し続けました。
するとAさんの資金はどう変化したでしょうか。
下のグラフをご覧ください。

最初の月は一口価格1000円だったので、10口買うことができました。
しかし、2、3ヶ月目は運用している商品価格(一口価格)が下がってしまいました。損したのでは、と思ってしまうかもしれませんが、商品価格(一口価格)が下がったので、1ヶ月目よりも多くの口数を買うことができました。
4、5ヶ月目は商品価格が大幅に上がったので、口数の購入数は少し減りましたが、その分、利益を出すことができました。
このように、同じ1万円でもいつ買うかによって何口買えるか異なるのです。
定期的に同じ金額で金融商品を買うことで、安い時には口数を増やし、高い時には利益を押し上げる、これが「ドルコスト平均法」の特徴です。
ではなぜこれが投資をする上で有効なのでしょうか。
ここからはドルコスト平均法の良さをみていきましょう。
ドルコスト平均法のメリットは?
株価が下がっても利益を出すことができる
一般的に株価はどんどん上がって欲しいと思いがちですが、ドルコスト平均法では下落局面でも利益を上げることができます。
分かりやすいように、当ブログのキャラクター、ゆとり と けん兄で2つのパターンを見ていきましょう。
2人はそれぞれ異なる投資先に投資していますが、毎月コツコツ投資を続けていることは共通です。
投資条件は以下の通りです。
- 投資期間は1月〜5月
- 株式に投資をする
- 2人とも毎月1万円をコツコツ投資をし続ける
- 株価が下がっても投資は続ける
さて、それではゆとり と けん兄の対決を見ていきます。
最初は2人とも株価(一口価格)が1000円からスタートするとしましょう。
果たして、株価はどう変化していくのでしょうか。

1月〜5月まで投資を続けた結果、ゆとりは、1000円を1度も下回ることなく上昇していきました。
一方で、けん兄は最初に1000円を下回った状態が続き、その後も元の水準に達していません。
最終的には、ゆとりの投資先の株価は1200円、けん兄の投資先の株価は900円で、ゆとりの投資先の方がけん兄より1.3倍高い価格となっています。

この勝負、勝ったピヨ
それでは、投資結果を見てみましょう。
皆さんはどちらが勝ったと思いますか? 結果はこちらです。

- 元本:5万円 (1月〜5月まで毎月1万円積み立てた分)
- ゆとりの評価額:5万1666円 (1666円の利益)
- けん兄の評価額:5万6953円(6953円の利益)
- 【結果】ゆとりより、けん兄の方が5287円多くの利益を得た。

なぜか負けたピヨ

どこで差がついたか見ていくワン
実は、5ヶ月目の投資成績は、驚くことにけん兄の勝利でした。
大きな要因は、2,3,4ヶ月目の下落局面で口数を増やせたことです。
つまり、株価が低迷しても、根気強く投資を続けると、後に株価が少し戻すだけで利益が大きく伸びるのです。(株価低迷時期がさらに続き、それでも投資を続けた場合は、さらなるリターンを見込めます。)
株価が下落しても、悪い話ではないのですね。
また、この検証で伝えたいことはもう1つあります。
それは、一括投資をするよりも、積立投資をする方が安全だということです。
例えば、けん兄が1月の時点で一括で5万円分の株を買ったとしましょう。
すると、4ヶ月経っても元の価格に戻らず、含み損の状態になります。いつ元の価格になるか毎日不安な日々が続くでしょう。
このように、一括投資を行うと、タイミングが悪ければ(株価が高い時に買ってしまった場合)利益が出るまで非常に長い期間を要することがあり、ストレスフルな日常を過ごすことになりかねないのです。
しかし、ドルコスト平均法のように、毎月積み立てて投資を行うと、「株価が下がったら口数がたくさん買える。上がっても資産が増える。下がっても上がっても嬉しい。」という不思議な感覚に陥ります。
コロナショックのような大暴落が起こっても、不安になって投げ売りする、なんてこともなくなるのです。
感情に左右されずに投資ができる
ドルコスト平均法のメリットはもう1つあります。
それは、感情に左右されず、常に合理的な投資判断ができることです。
ゆとりとけん兄の投資成績を見比べた時のように、同じ商品でも安い時にたくさん株を買うことができれば後に運用成績は良くなります。
しかし、株価が暴落している時に、タイミング良く多くの株を買うことは簡単ではありません。
なぜなら、株価の動きは感情に影響を与えやすく、正常な投資行動を妨げます。
つまり、通常は株価が安い時に買うのが有利と分かっていても、いざ株価が急落すると一時的な含み損が怖くなり、思い切って投資ができなくなるのです。
まだ下がると思っていたら急に上がってしまいそのまま買い損ねたり、
上がり続けていたら、いつか下がるから待とうと思って数年間投資の機会を逃したり…
1日中考えていても答えは出ず、想定外の結果になることは日常茶飯事です。
こうした失敗をなくすためには、感情を取り除いた方が良いのです。
毎月同じ金額を積立することにより、機械的に安い時には口数を多く、高い時には口数を少なく買えるようになるため、ドルコスト平均法は非常に有効な投資手法なのです。

たしかに、ゆとりもコロナで大暴落が起こった時には、情緒不安定だったピヨ…
どんどん損が膨らんでいきそうで本当に怖かったピヨ…

そうワン
だからドルコスト平均法は良い投資法なんだワン
ドルコスト平均法はどうやって実践する?
毎月決まった日に自分で一定金額を買い付けるのは大変ですね。
買い忘れることもあると思います。
しかし、ご安心下さい。
最近はどの証券会社でも”自動的な”積立が設定可能です。
設定頻度は証券会社によって異なりますが、私がおすすめする大手ネット証券のSBI証券と楽天証券では、毎日、毎週、毎月の自動買付設定が可能です。
最初に設定しておけば、後はほったらかしても勝手に積立投資をしてくれるので、楽チンです♪
ちなみに、積立頻度は、毎日・毎週・毎月のどれを選んでも結果はあまり変わらないと言われています。
ただし、投資商品を買った場合は、購入しましたメールが来るので、毎日にしてしまうと、少し鬱陶しく感じるかもしれません。
(実際、私も以前は毎日積立にしていましたが、メールにうんざりして毎月積立に変更しました(笑))
まとめ
ここまで、ドルコスト平均法の原理とその魅力を説明してきましたが、お分かりいただけましたでしょうか?
ドルコスト平均法は、精神的にも成績的にも満足ができる方法なので、この手法を利用して、ぜひ投資を気楽に楽しんでもらえれば幸いです。
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