
景気後退に備えたい!
高金利の債券に投資してみたい!
今回は、初めての債券投資に挑戦したい方向けに解説していきます!
日本では債券投資に関する情報が少なく、始めたくてもなかなか手を出しづらいという方が多いのではないでしょうか?
私はここ半年、債券投資の世界的プロ「ジェフリー・ガンドラック」や、債券投資を強みとする資産運用会社「PIMCO」のレポートを徹底的に追い、債券投資のノウハウを身につけてきました。
今回は債券の基本から投資戦略、考えておきたい中長期のリスクまでを、 10分で分かるように解説しました。
参考にしてもらえると嬉しいです♪

債券投資の基礎を知って、利益を出していこう!
※本投稿は2023年3月10日に書いた初稿を、シリコンバレー銀行等の破綻を受け、3月20日に修正を加えた内容となっております。市場は常に変化しておりますため、最新の状況についてはご自身で判断し、投資判断は自己責任でお願いします。
もくじ
なぜ今、債券に投資チャンスがあるのか

わたしが債券を買う理由は、今後アメリカ経済には景気後退が来て、債券の価格が上がると予想しているからです。
現在、米国では、9%まで上がってしまったインフレを抑えようと、中央銀行(FRB)が急激な利上げを行っています。

車で例えると、スピードが出過ぎている経済を、金利というブレーキを使って止めようとしているようなイメージだよ
昨年3月から上昇してきた金利は今では4.75%まで到達しようとしています。
この到達点は2007年にリーマンショックを引き起こした5.25%に近い水準です。
しかし、高金利は実体経済に悪影響を与え、それが起こるまでの期間は平均12-18ヶ月程度かかると言われています。
そのため、現時点で景気後退が来ていなくても、今後、景気後退が来る可能性は非常に高いと思われます。

景気後退の先行指標も完全に警告を発しているよ!
では、なぜ債券が買いなのか説明します。
たとえば、2008年のリーマンショックでは、景気後退で最大50%も価格が上昇しました。

また、2020年のコロナショックも同様に、景気後退で最大45%も上昇しています。

そして、政策金利の頭打ち=債券の底だと分かります。(図中の①)
このような動きになるのには、以下の流れがあるからです。
- 金利が高いと、景気を減速させる
- 景気が弱まると、金利引き下げを開始
- 景気後退に突入する頃には経済はさらに酷い状態となっており、利下げを進める
- 金利と債券価格は逆相関の関係なので、金利を急激に下げれば債券価格は上がる
最近では高金利の影響で、米国のシリコンバレー銀行など複数の金融機関が破綻に追い込まれはじめています。
これは景気後退を通り越して、金融危機の前兆のような雰囲気さえ漂っています。
その状況を受け、現在では、表中の2番目の「金利引き下げ」が織り込まれています。
金利引き下げ=債券価格上昇を意味するので、今後は債券価格上昇がさらに期待できそうです。

景気後退や金融危機で上がる資産を持っておくと精神的にも楽になると思うよ
どうやって債券を買えば良い?

債券への投資方法には主に2種類あります。
- (生)債券を直接買う
- 債券ETF(上場投資信託)を買う
生債券とは、証券会社で直接買える債券です。
こちらは、満期まで待てば元本が保証されるメリットがありますが、「満期前に売却した場合は大きなスプレッド(手数料)がかかる」と言われています。
一方、債券ETFの場合、元本保証はありませんが、売買がカンタンに行える上、値動きの把握もしやすいです。
そのため、景気後退で価格が上がったところで売却したい場合は、債券ETFを購入される方が良いでしょう。

次に、債券の種類を見ていくよ!
「債券」には、米国債、投資適格社債、ハイイールド債など複数の種類があります。これらは発行元によって異なります。

そして、これらの違いを理解するためには、それぞれの「リスク」を知ることが大切です。
「リスク」は、貸したお金が返却される可能性の高さとも言い換えられます。
このリスクの大きさによって、金利(利息)の高さや値動きの大きさが異なります。

もうすこし具体的に教えて〜!
たとえば、米国国債(長期・短期を含む)は、米国という国が破綻しない限りお金は返却されるのでかなりリスクが低い部類に入ります。
投資適格社債は、信用力が高い大企業の社債ですが、破綻する確率も否定できないので中リスク。
ハイイールド債は、信用力が低い企業なので破綻する確率も高く、リスクが高いです。
一般的に、リスクが高い債券ほど利回りは良くなります。リスクが高い社債では貸したお金が返ってくる確率が下がるので、その分高い見返りを投資家は求めるからです。
↓ リスクとリターンは以下の通りです。

また、お金を貸す期間が長いほど不確実性は増すため、金利はさらに高くなります。
つまり、対象とする「債券の発行元」が、その「期間」の間、破綻してしまわないか考えることが投資の基準になってきます。
このように、各債券のリスクを知ることで自分の相場感に合う債券の種類が見えてきます。
リスク/ リターン |
ワンポイント アドバイス |
代表 ETF |
|
---|---|---|---|
米国短期 国債 |
低い | 最も安全に金利収入が 貰えるが、価格上昇は 控えめ |
SHY / VGSH 約4.0% |
米国中期 国債 |
低〜 中 |
短期国債と長期国債の 中間的存在 |
IEF / VGIT 約3.5% |
米国長期 国債 |
中 | 金利低下に伴う価格 上昇は短期国債 よりも大きい |
TLT / VGLT 約3.7% |
投資適格 社債 |
中 | 著名投資家や大手ファンド曰く、 2023年の相場では買って 問題ないとのこと |
LQD 5.2% |
ハイー ルド債 |
高い | 景気後退で大きなダメージを 受ける可能性あり |
HYG 8.7% |
いつ買えば良い?

歴史的に見れば、利上げの最終局面に買うのが良いとされています。
そして、現在は利上げの天井が見え始め、利下げ観測が早まってきた段階です。
したがって、今ぐらいがちょうど良い時期だと考えています。
*シリコンバレー銀行破綻を契機に金融不安が織り込まれてしまったので、この記事を書いていた1週間前からは旨味が減っています。インフレが一直線に落ちない場合には金利が多少戻すタイミングもあるかも知れなく、そういう場面では買い場となるかも知れませんが、短期的なことは予想が困難です。
なお、ピンポイントで天井を狙うことは難しいため、私としては「天井付近」の期間を予想して買うと良いと思っています。
今後の投資タイミングについては、私が参考にしている「ロボプロ」が使えるかもしれません。
ロボプロは、40種類以上の経済市場を分析して将来予測を行っているAI運用※で、私もここ2年以上運用し続けています。 ※毎月、資産配分を変えていくロボアドバイザー
過去では、コロナショック前に株式を大幅に減らして債券で下落を緩和したり、

2022年では、S&P500のパフォーマンスを上回るなど、株式の下落相場に強い特徴があります。

ここ2年間で見ると、ロボプロが債券に20%近く投資した場合、その後は株式が下落したり、債券が上がったりしていたので、今回も参考になるはずです。
>> 【本音レビュー】ロボプロを2年間、実際に使ってみた結果が凄かった

債券だけでなく、個別株投資をしている人にとっても、良いタイミングを教えてくれるよ!
債券投資の注意点は?

この記事で解説した債券投資は、あくまで景気後退を利用した中期トレードであり、期間は1-2年程度です。
特に、これからの数年間は、インフレが再燃するリスクが十分考えられ、インフレ相場では金利がまた上がります。(=金利上昇では債券価格が下落)
つまり、債券の長期保有(5-10年)は報われない可能性もあるのでご注意ください。
上記のことから、政策金利が上限に近づく4月下旬頃までに金利がまた上がるようなタイミングで債券をコツコツ買い、景気後退(=株式が下落してしている期間)で売り、その資金で暴落中の株式を買うのが私の戦略です。
※金融市場は日々変化しているため、状況が変わる可能性があります。経済ニュースを追ったり、ロボプロのポートフォリオを見たりして、対応していくのが良いと思います。
【画像つき】債券投資のはじめ方

さいごに、債券投資の方法を説明します。
画像付きで紹介するので、分からない人は真似してみてください。
- 投資する債券ETFを決める
- 投資額と投資期間を決める
- 証券会社で始める
①投資する債券を決める
まずは、投資する債券を決めましょう。
リスク/ リターン |
ワンポイント アドバイス |
代表 ETF |
|
---|---|---|---|
米国短期 国債 |
低い | 最も安全に金利収入が 貰えるが、価格上昇は 控えめ |
SHY / VGSH 約4.0% |
米国中期 国債 |
低〜 中 |
短期国債と長期国債の 中間的存在 |
IEF / VGIT 約3.5% |
米国長期 国債 |
中 | 金利低下に伴う価格 上昇は短期国債 よりも大きい |
TLT / VGLT 約3.7% |
投資適格 社債 |
中 | 著名投資家や大手ファンド曰く、 2023年の相場では買って 問題ないとのこと |
LQD 5.2% |
ハイー ルド債 |
高い | 景気後退で大きなダメージを 受ける可能性あり |
HYG 8.7% |
②投資額と投資期間を決める
次に、投資額と投資期間を決めます。
債券は、慣れている人であれば資産の25%~75%を入れますが、不安な場合は、10%程度にとどめておくと良いでしょう。

ゆとりの場合、今は20%だけど、チャンスが来たら30%まで増やす予定だよ!
また、景気後退での値上がりを目的にする場合、投資期間は長くても1〜2年です。
それ以上だと、他のリスク資産(株式など)の方がリターンが高くなりやすい可能性があるので注意しましょう。
ちなみに、リーマンショックの場合は米国長期債が最大50%まで上がりましたが、その数ヶ月後には元の価格に戻ったというのも事実です。

景気後退の恩恵を取り逃さないためには、景気後退中に少しずつ売却するのがおすすめです。
ロボプロを持っている方は、ロボプロが債券を大きく売り、株式に切り替える頃が最大の売却ポイントになると思います。

③証券会社で始める
今回は、SBI証券と楽天証券での買い方を紹介します。
<SBI証券の場合>

海外ETFを選び、「Eサーチ」をクリックします。

「債券」「米国」を選択すると、米国債券が表示されます。

「現買」を押します。

数量や購入方法を選べば、購入できます。
<楽天証券の場合>

「海外ETF」を選び、「債券」を押します。

「米国市場」「債券」を選択し、「この条件で検索」を押します。

「買い」を押します。

数量や購入方法を選べば、購入できます。
債券投資は、”今がチャンス”?

債券は、金利の頭打ちが確実となってきた今が最後の買い場かどうかというタイミングです。
SVB(シリコンバレー銀行)ショックの後で旨味は少し減ってしまいましたが、2000年や2007年の相場を見返すとまだ遅くないようにも思えます。
短期的に、市場の予想以上に強いインフレ統計が出れば金利が上がり、購入した債券で一時的に数%の含み損が出ることも想定されますが、中期的にはリスク・リターン比は比較的良好だと思います。
3月21日時点でも、長期国債であれば中期的に10-15%程度のリターンは期待できると予想しています。
2000年のITバブルでは最大約40%、2008年のリーマンショックでは最大50%、2020年のコロナショックでは最大45%のリターンを出すことが可能でした。
(長期国債TLTの場合)
今回は債券投資のプロのレポート内容と、歴史に基づいた債券の投資戦略を記載しましたが、相場を完璧に読むことは難しいと言われています。
債券に興味がある方は、ご自身のリスク許容度の中で始めてみるのが良いと思います。

ゆとり家は、執筆時点で全資産の20%を保有してるよ!