節税対策として有名なiDeCoや、つみたてNISA。
投資家目線では、どちらも運用益が非課税になるので非常にお得な制度ですが、その魅力に気づいてない方も多いのが現実…
そこで、今回はiDeCoとつみたてNISAを併用することがいかにお得なのかを解説します。

iDeCoだけ、つみたてNISAだけは本当にもったいないワン
もくじ
iDeCoの特徴

iDeCoは2001年から始まった制度です。
老後のための資産運用を行い、「自分年金」を作ってもらうことが目的とされています。
特徴は主に次の3つになります。
- 積立金額は全て「所得控除」の対象になり、所得税・住民税が節税できる!
- 運用益に税金がかからない!
- 受け取る際も控除になる!



それぞれの特徴を詳しく見てみましょう。
① 積立金額は全て「所得控除」の対象になり、所得税・住民税が節税できる!
iDeCoは、積立金額を全て「所得控除」にできます。
全額所得控除(=課税所得金額が少なくなる)ということは、税金が安くなります。
例えば、
年収500万円の方が月々1万2000円積み立てた場合、所得税や住民税が年間2万9100円程度節税されます。(現在30歳の方が60歳まで積立した場合、30年で合計87万円節税できます。)
また、年収800万円の方が月々6万8000円積み立てた場合、所得税や住民税が年間27万3200円程度節税されます。(現在40歳の方が60歳まで積立した場合、545万6000円節税できます。)
ご自身の節税額を知りたい方は、楽天証券のシミュレーションをご覧ください。
※月々の積立金額は5000円からです。上限は職業によって異なります。詳しくは下の表をご覧ください。
職業 | 積立の上限金額(月々) |
---|---|
自営業 | 6万8000円 |
専業主婦(夫) | 2万3000円 |
会社員(企業年金無) | 2万3000円 |
会社員(企業年金有) | 1万2000円or2万円 |
公務員 | 1万2000円 |
② 運用益に税金がかからない!
通常、投資を行った場合、運用益の約20%が税金として引かれます。
20%というと、あまりピンとこない方もいるかと思いますが、運用益が50万円なら10万円、100万円なら20万が税金で引かれるので、意外と大きな額です。
しかし、iDeCoの場合は、通常取られるはずの税金が取られません。
これからiDeCoで資産運用をしようと思っている方には嬉しい内容です。
③ 受け取る際も控除になる!
実は、運用益には税金がかかりませんが、受け取る際には税金がかかります。
「結局税金がかかるじゃん!」
そう思った方も安心してください。
受け取り時には「公的年金等控除」「退職所得控除」の対象となります。
簡単に言うと、受け取る際に税金はかかりますが、通常よりも安く済むということです。
ちなみに、受け取りは、原則60歳以上で引き出せます。
60歳までは基本的に引き出せません。
また受け取り方法は、以下の3種類です。
- 年金として受け取る
- 一時金として受け取る
- 年金と一時金を併用する
多くの人にとっては受け取りはまだまだ先のことですが、60歳まで引き出せない、というのは覚えておきたいことです。

ちなみに、iDeCoは確定申告をしないといけないピヨ?
会社員や公務員は年末調整をするだけでOK!
iDeCoは、基本的に1度積立設定をすれば、後はほったらかすだけで良いですが、年に1度だけやらなければいけないことがあります。
それは"会社員や公務員は年末調整""自営業なら確定申告"です。
これをやらなければ節税されません。
会社員や公務員は確定申告でも可能ですが、年末調整の方が圧倒的に楽なので、年末調整を行いましょう。
ちなみに、年末調整の流れは以下の通りです。
これだけです。
年に1回この作業をするだけで多額の節税効果が生まれるので、忘れないようにしましょう!
節税金額や将来的なリターンは?
例えば、年収500万円、30歳の公務員の方が、毎月掛金の最大額1万2000円を30年間続け、年利回り5%*で運用した場合で計算した場合、合計978万4510円になります。(積立元本432万円、運用益546万4510円)。

現金貯金しかしなかった場合は432万なので、圧倒的な差が生まれますね。
*全世界株式の平均利回りは5%です。投資に絶対はありませんが、20年以上の長い年月が経つと、この数字に落ち着いてきます。

また、拠出時の節税メリットも確認してみましょう。
下の画像をご覧ください。

意外と節税されるワン!

拠出による節税は年間2万9100円になります。
30年で節税金額は86万9400円に昇ります。
iDeCoをしなければ、そのお金は所得税や住民税として国や都道府県に納めることになるので、ぜひ活用しておきたいですね。

頑張って稼いだお金だから、節税をして出来るだけ手元に残したいピヨね!
※運用時のメリットについては、あくまでシミュレーションであり、結果が保証されるものではありません。
運用で成功するためには、資産運用について学ぶことが大切です。
適切な商品選びや運用方法についてはこのブログを始め、数々の書籍で学ぶことができますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
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それは良かったワン。でももう一つお得な制度があるんだワン
それがつみたてNISAワン
つみたてNISAの特徴

つみたてNISAは2018年から始まった「少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度」です。
最長20年間非課税なので、20年後までの将来のための資産運用です。
特徴は主に次の4つです。
- 商品の内容・手数料の安さなど金融庁が厳選したものしか取り扱っていない
- 1度設定したら、後はほったらかしでOK!
- 必要な時にはいつでも引き出せる
- 非課税枠は年間40万円まで。最大20年間積立投資が可能
① 商品の内容・手数料の安さなど金融庁が厳選したものしか取り扱っていない
世の中には多くの投資信託があるため、中には手数料が高かったり、商品の質が良くないものがたくさんあります。
しかし、つみたてNISAは金融庁が厳選した商品しか並んでいないため、投資初心者でも安心して選ぶことができます。
② 1度設定したら、後はほったらかしでOK!
iDeCoの場合、1度設定しても年末調整や確定申告を行う必要がありますが、つみたてNISAは特に手続きはありません。
本当にほったらかしです。
私の母もつみたてNISAを行なっていますが、しばらく経ってから「あれ、いつの間にかこんなに増えてる!」と驚きます。
ほったらかしていた結果、コロナショックのような株価急落の時でも積立をし続け、資産を増やしていったのです。
長期・積立・分散投資はほったらかしこそが確実な資産形成に繋がりますので、ほったらかしでも運用できるつみたてNISAは長期積立に最も適した制度と言えるでしょう。
③ 必要な時にはいつでも引き出せる
iDeCoの場合、60歳までは原則引き出すことができませんが、つみたてNISAならお金が急に必要になった時でも簡単に引き出すことができます。
融通が効くのも良いですね。
④ 非課税枠は年間40万円まで。最大20年間積立投資が可能
非課税枠には制限があります。
年間40万円まで(1ヵ月で3万3333円まで)、投資可能期間は2018年~2037年までなので、2037年までに投資した分は最大20年間非課税で運用できます。

20年あれば、例え大暴落に遭遇しても損失を抱える可能性が低いので嬉しいです。
ちなみに、NISAの場合は最大5年間なので、2005年から始めた場合は損失を抱えたまま強制終了させられることになります。
投資は長ければ長いほど有利なので、投資期間が短いNISAより、つみたてNISAを選んだ方が良いでしょう。

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次に、非課税効果がどれほどの金額になるか、実際にシミュレーションしてみましょう。
節税金額や将来的な資産額は?
つみたてNISAは年間で40万円、月々で換算すると毎月3万3333円を積み立てることができます。
ここでは、二つの場合に分けてつみたてNISAでどれほどの資産が作れるか見てみます。
まずは一つ目の場合として、毎月1万円を20年間積み立て、年利回り5%で運用した時の結果ですが、20年後には合計409万円になります。
積立元本は240万円なので、残りの169万円が運用益ということです。

さらに投資に余裕のある方向けに、毎月3万円を20年間、年利回り5%で運用した時の結果ですが合計1228万円になります。

元本720万円に対して、運用益は508万円なので、利益の金額が非常に大きくなっていますね。
【結論】両方使えば将来の資産を大きく増やすことができる。だから併用するべき。
iDeCoとつみたてNISAの魅力についてお分かりいただけましたか?
iDeCoは老後のため、つみたてNISAは20年後のために行う資産運用です。
どちらも私達にとって必要なお金なので、ぜひ両方活用していきたいですね。
では、実際にどのように活用していけば良いのでしょうか。
活用方法を決めるポイントは以下の通りです。
- 収入や貯金の有無
- 資産運用をする目的は何か
- 運用資金はいくらが良いか

順番に見ていくワン
①収入や貯金の有無
まず収入や貯金がない方は、これらを確保することから始めましょう。
収入がなければ上記の資産運用をすることがだんだんと厳しくなり、貯金がなければ災害や失業等でお金が必要になった時にお金が手元になく困ることになります。
予め確保しておきましょう。
ちなみに、貯金は少なくても3ヶ月分は仕事をしなくても生きていけるお金を用意しておくと良いでしょう。
コロナショックで急に仕事がなくなり、明日から無収入…という人が実際いたように、いつどうなるかは誰にも分かりません。
3ヶ月あれば、その間に仕事を探したり、アルバイトをしたりと色々できます。
また、3ヶ月分のお金といっても、その間アルバイト等で多少の収入があれば、貯めたお金を3ヶ月で使い切ることはないので、少しは安心できますね。
貯金がなく、全て投資に回してしまうと、いざという時に本当に困ります。
収入と貯金があって、ようやくスタートラインに立てます。

なるほど!
やっぱり現金は必要ピヨね
②資産運用をする目的は何か
資産運用をする目的も重要です。
老後資金用に積み立てたいのであればiDeCo、
今から15年〜20年後ぐらいの教育費用やマイホーム用に積み立てたいのであれば、つみたてNISAがおすすめです。
また、iDeCoとつみたてNISAを併用したい場合でも、老後資金を重視したい方はiDeCoに重きを置き、15年〜20年後ぐらいの資金をより重視したい方はつみたてNISAに重きを置くと良いでしょう。
上記でも示した通り、iDeCoは節税になるかなりお得な制度ですが、60歳までは引き出せないデメリットもあるため、よく考えて選ぶようにしましょう。
③ 運用資金はいくらが良いか
気になるのが、資産運用はいくらで始めれば良いのかですね。
一般的に、資産運用は今後しばらく使う予定のないお金で運用することが推奨されています。
理由はいくつかありますが、現金と比べて出し入れすることが難しいからです。(手続きに時間がかかったり、大暴落の最中に現金に変える場合は損失を確定してしまう可能性等があるため)
そのため、一概にいくらとは言えませんが、今後しばらく使わないと思える金額を投資に回すようにしましょう。
もちろん、可能な限り、iDeCoとつみたてNISAの上限で運用する方が良いです。
実際に私はそれぞれ上限で運用しています。
上限可能額で運用することで、将来より安心して過ごすことができるので、可能な方は上限金額で運用しましょう。

将来、安心して過ごすために、今から頑張るワン!
まとめ
ここまで、iDeCoとつみたてNISAを併用したい理由を説明してきました。
最後に、iDeCoとつみたてNISAを活用した際の資産額と節税効果をまとめているので、将来のお金の計算にご活用下さい。

また、iDeCoとつみたてNISAはSBI証券で始まるのがおすすめです。
商品数が多く手数料も安いため、多くの投資家が愛用しています。

詳しくは、「SBI証券の特徴・評判記事」に書いているので、ぜひ参考にしてみてください。