
つみたてNISAって商品数が多くて選ぶのが大変ピヨ

商品数は多いけど、商品の選び方さえ知っていれば、どれを選べば良いかすぐ分かるワン
今回は、つみたてNISAの選び方について紹介するワン
もくじ
商品はどのように選べば良いか
つみたてNISAの商品数は、証券会社によっては150以上の商品を取り扱っています。
しかし、どんなに多くても選ぶコツさえ掴んでおけば、簡単に銘柄選びができます。
商品を選ぶ際に、必ずおさえておきたいポイントはこちらです。
- 全世界株式・先進国株式から選ぶ
- インデックスファンドから選ぶ
- 総資産額が右肩上がりのものを選ぶ
- 信託報酬が安いものを選ぶ
- 株式がどうしても怖い方はバランス型でも良いがおすすめはしない

順番に説明していくワン
① 全世界株式・先進国株式から選ぶ
投資を行う場合は、主に海外株式・国内株式・海外債券・国内債券から選ぶことになります。
それぞれのリスクとリターンの関係は以下のようになっています。

※バランス型は、株式や債券などを組み合わせた商品です。
さて、つみたてNISAを行う場合、どれを選べば良いのでしょうか。
私のおすすめは、海外株式です。
この図を見ても分かる通り、株式は一般的にハイリスクハイリターンと言われていますが、積立期間が長く、長期で運用する場合では、リスクが低下することが知られています。そのため、長期運用では株式が最適な商品なのです。
下のチャートは、全世界株式の過去の値動きです。

このように、リーマンショックやコロナショックなどで大きく株価は下がることもありますが、長期的に見ると、株価は右肩上がりで伸びているのがお分かりかと思います。
つまり、株式は一時的に大きく下がっても、その後大きく上がっていくので、長期で運用すれば堅実に資産を増やすことができてきました。
また、「株価が下がっていたら損してしまう」と思ってしまう方もいるかと思いますが、市場から退場しない限り、いずれ株価は戻ります。
むしろ、株価が下がっている間は、安い価格で多くの株式を手に入れるチャンスです。
株価が大きく下がっている間に多くの株式を買っておけば、株価が上昇した時に多くの利益をもたらしてくれるので、全く落ち込む必要がないのです。

株価が下がっても、上がっても嬉しいピヨ
なお、株式は大きく分けて全世界株式・先進国株式・米国株式・国内株式・新興国株式がありますが、おすすめは全世界株式、先進国株式、米国株式です。
なぜ国内株式と新興国株式はおすすめできないのか。
まずは、それぞれの過去のチャートを比較してみましょう。

注目は全世界株式、先進国株式、米国株式の方が安定的に上昇している点ピヨ

国内株式は、かつてバブルの頃は株価の上昇が非常に良かったのですが、ここ最近の上昇率は高くはありません。
少子高齢化が進んでおり、優秀な若者が少なくなってきたことや、海外ほどグローバル化が浸透していないことなどが原因かと思われます。
また、新興国株式も同様に以前は良かったのですが、最近は低迷しています。
新興国は人口増加もしており、今後急上昇していく可能性も秘めていますが、つみたてNISAで運用できる20年の間に株価の上昇を見込めるかどうかを見極めるのは難しいでしょう。
そのため、つみたてNISAで安定的な資産増加を見込めるのは、全世界株式、先進国株式、米国株式です。
ただし、米国株式は最近の成長が素晴らしいですが、米国に一極集中して投資をしているので、全世界株式や先進国株式よりは少しリスクがあります。
投資の王道は「分散投資」なので、一国集中に少しでも不安を感じる方は、全世界株式か先進国株式を選びましょう。
② インデックスファンドから選ぶ
「インデックスファンド」とは、株価指数に連動して投資を行う投資信託です。
一方で、株価指数に連動せず、投資の専門家が銘柄分析を行い、より高い利益を狙う投資信託を「アクティブファンド」と言います。
一見、アクティブファンドの方が魅力的に見えるかもしれませんが、専門家が積極的に銘柄分析や売買を行うため、インデックスファンドよりも費用が高くなる傾向があります。
また、投資のプロにも関わらず、インデックスファンドの成績を上回れるアクティブファンドはわずか2割しかなく、インデックスファンドの方が投資成績が高いです。
そのため、商品を選ぶ際にはインデックスファンドを選ぶようにしましょう。
③ 信託報酬が安いものを選ぶ
信託報酬は、保有している間ずっとかかる手数料のことです。
長い間払うことになるので、信託報酬が高い商品を選ぶとその分リターンが下がります。
例えば、つみたてNISAの年間投資可能額40万円で運用していた場合、信託報酬が0.1%の場合は年間400円取られるだけですが、0.2%になると800円取られることになります。
0.3%で1200円、0.4%で1600円…となり、意外と見落とすことができません。

中でも、同じ株価指数に連動する2つのインデックスファンドのリターンはほとんど同じになります。一方、信託報酬は異なることがほとんどなので、そういう時は信託報酬が安い方を選んだ方が将来のリターンが高くなります。
④ 総資産が右肩上がりのものを選ぶ
純資産はファンドに入ってるお金のことです。
分かりやすく説明するため、まずは下の図をご覧ください。
黄緑色の部分が純資産総額がどう変化してきたかを表しています。

この図では、純資産総額(黄緑色の部分)がだんだん増えてきているのがお分かり頂けると思います。
では、下の図ではどうでしょうか。

純資産総額(黄緑色の部分)はほとんど変わらない状態が続いていますね。
これは何を表しているかと言うと、
- 買う人が多く、人気の商品である
- 成長が見込める商品である
- その投資信託がなくなる可能性が低い
ことを意味しています。
①②は考えれば分かりそうなことですが、③は一体どういうことでしょうか。
実は、投資信託には規模(純資産額)が小さくなった場合、信託期間中の途中で運用が終了する「繰上償還」が起こる可能性があります。
つまり、証券会社が「これでは利益を十分に確保できず、運用を続けるには効率が悪い」と判断した場合、強制的に終了させられるのです。
一般的に多くの投資信託では、長期間運用すればするほどリターンが増えていきますが、強制終了した場合は、予期せぬ税金がかかる上に再度ゼロからのスタートとなります。
これでは資産の増加を遅らせ、運用効率も下げてしまいますね。
そのため、純資産総額が右肩上がりで成長しているかも判断材料になります。
⑤株式がどうしても怖い方はバランス型でも良いが、おすすめはしない
私も投資を始めた当初はバランス型の商品に魅力を感じていました。
「株式はリターンが高いから運用してみたいけど、リスクが高いから怖い。債券はリスクは低いけど、リターンが低いのは困る。」
そんな方にうってつけの商品が、株式も債券もバランスよく入っているバランス型の商品ですね。
では、なぜバランス型が1番のおすすめではないのでしょうか。
それは、そもそも株式はリスクの高い商品ですが、それは数ヶ月や1,2年など短期的に見た場合のことです。
10年単位で見ていくと、全世界株式や先進国株式は高い確率でその価値を上げていきます。
一方で、債券はリスクの低い商品ですが、10年単位で見ても微々たるリターンしか望めません。
バランス型のように債券が入ると、その分リターンを下げてしまうため、20年という長期間運用できるつみたてNISAではバランス型を選ばない方が賢明です。
ただし、株式だけではどうしても不安な方は、資産運用の第一歩として活用するのも手でしょう。

おすすめは断然株式のみ!
でも不安を感じる人はバランス型を利用するのも、何もしないよりは良いワン!
おすすめの商品は?
ここからはおすすめの商品を商品クラスごとにご紹介します。
全世界株式のおすすめ商品
全世界株式に投資できるインデックスファンドはいくつもありますが、中でも信託報酬が安いファンドは以下のようなものになります。
- eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー):信託報酬 0.1144% ← 最もおすすめ
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンド:信託報酬 0.212%
- SBI・全世界株式インデックス・ファンド:信託報酬 0.1102%
※2020年9月17日時点。
いずれも信託報酬が安く、ファンド規模が大きい商品ですが、ここでは最も信託報酬が低くておすすめできる「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」についてご紹介します。
① eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
ファンド名 | eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) |
---|---|
運用会社 | 三菱UFJ国際投信株式会社 |
商品種別 | インデックス投資信託 |
ベンチマーク | MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス |
信託報酬 | 0.1144% ※2020年10月3日時点 |
購入手数料 | 無料 |
設定日 | 2018/10/31 |
購入可能な証券会社 | SBI証券、楽天証券、マネックス証券など |

こちらは、世界45か国の株式に分散投資する投資信託です。

時価総額に応じて投資されるため、世界の経済成長を完璧に取り込めます。
また、eMAXIS Slimは、商品が充実している上に、手数料が常に業界最安値水準である人気のシリーズです。
最近では、他社が似たような安いファンドを出したことから、半年以内に0.1296%→0.1144%に値下げしました。
このように、例え強力なライバルが現れたとしても、最低水準の手数料を追求する姿勢は素晴らしく、投資家が安心して長期保有できるものとなっています。
そのため、人気も高く、純資産総額も右肩上がりで伸びています。
始まって1年ほどしか経っていないため、正確なリターンはまだ分かりませんが、長い歴史を振り返ると世界株式のリターンは年平均5%なので、こちらの商品も長く保有していると同じくらいの水準になります。
長期でのリターンの安定性とコストの低さ、ファンド規模から、投資家が本当に良い投資信託を選ぶ「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2019」でも堂々の一位を獲得しています。
堅実な資産形成を目指す全ての投資家におすすめできるため、迷っている方はこちらを一本保有するだけで十分です。
先進国株式のおすすめ商品
先進国株式に限定したインデックスファンドも複数ありますが、代表的なものは以下のようなものになります。
- ニッセイ外国株式インデックスファンド:信託報酬 0.1023%
- eMAXIS Slim先進国株式インデックス:信託報酬 0.1023% ← 最もおすすめ
- たわらノーロード先進国株式:信託報酬 0.10989%
- SBI・先進国株式インデックス・ファンド:信託報酬 0.1022%
※2020年10月3日現在。
先進国株式も手数料0.1%台の商品が多くあります。正直手数料の差に大きな差はないので、あとは純資産額の大きいものを選べば問題ありません。
ここでは純資産額が大きくて、これからも手数料最安値が期待できる、おすすめファンド「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」についてご紹介します。
eMAXIS Slim先進国株式インデックス
ファンド名 | eMAXIS Slim先進国株式インデックス |
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運用会社 | 三菱UFJ国際投信株式会社 |
商品種別 | インデックス投資信託 |
ベンチマーク | MSCIコクサイ・インデックス |
信託報酬 | 0.1023% ※2020年10月3日時点 |
購入手数料 | 無料 |
設定日 | 2018/07/03 |
購入可能な証券会社 | SBI証券、楽天証券、マネックス証券など |
こちらは、先進国の株式指数として有名な「MSCIコクサイインデックス」に連動する投資信託です。
上述の「全世界株式」では含まれていた新興国の他、日本、中国が含まれていません。
その分、米国や欧州の割合が多めに含まれています。
手数料を見ても、0.1%はかなり安いです。
その内容が支持され、「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2019」では3位を獲得しています。
バランス型ファンドのおすすめ商品
バランス型ファンドは以下のような商品が代表的なものになります。
- eMAXIS Slim バランス(8資産均等型):信託報酬 0.154% ← 最もおすすめ
- ニッセイ・インデックスバランスF 4資産均等型:信託報酬 0.154%
- 楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型):信託報酬 0.247%
※2020年10月9日時点。
バランス型ファンドの中から選ぶなら「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」が、純資産額が非常に大きくおすすめできます。
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
ファンド名 | eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) |
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運用会社 | 三菱UFJ国際投信株式会社 |
商品種別 | インデックス投資信託 |
信託報酬 | 0.154% ※2020年10月9日時点 |
購入手数料 | 無料 |
設定日 | 2017/05/09 |
購入可能な証券会社 | SBI証券、楽天証券、マネックス証券など |
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)とニッセイ・インデックスバランスF 4資産均等型の信託報酬は同水準ですが、純資産額は約9倍の差があります。
気になる投資内容は、国内外の株式、債券、不動産にバランスよく配分されています。

「株式のみは怖い」「債券や不動産を混ぜたい」という方の有力選択肢になる投資信託です。
リスクは低い分、リターンもその分低下します。
その点を気にするのであれば、例えば「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)を50%、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)を50%」のように別の投資信託を組み合わせるのも手です。
バランス型のファンドは、ファンドマネージャーが配分する手間(人件費)がかかり信託報酬が上がりがちですが、eMAXIS Slim バランスは信託報酬が0.154%と低めに抑えられているので評価が高いです。
【番外編】米国株式のおすすめ商品
実は、「全世界」「先進国」「バランス型」の他に、「米国株式」のインデックスファンドも魅力的な投資商品です。ここではその魅力と注意点をご説明します。
まずは米国株式インデックスファンドの代表的なものを見てみましょう。
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500):信託報酬 0.0968% ← 最もおすすめ
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド:信託報酬 0.162%
- SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド:信託報酬 0.0938%%
※2020年10月9日時点。
米国株式のインデックスファンドは信託報酬が0.1%以下に設定されているファンドもあり、手数料が安いです。ここでは、純資産額が最も大きく、手数料も最安値水準の「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」をご紹介します。
eMAXIS Slim米国株式 (S&P500)
ファンド名 | eMAXIS Slim米国株式 (S&P500) |
---|---|
運用会社 | 三菱UFJ国際投信株式会社 |
商品種別 | インデックス投資信託 |
ベンチマーク | S&P500指数 |
信託報酬 | 0.0968%以内 ※2020年12月4日時点 |
購入手数料 | 無料 |
設定日 | 2018/07/03 |
購入可能な証券会社 | SBI証券、楽天証券、マネックス証券など |

eMAXIS Slim米国株式 (S&P500)は、米国企業500社に分散投資する投資信託です。ただし、分散と言っても、世界株式に比べると集中型です。
長期投資においては、時間と投資対象を分散させることが大事であるため、投資初心者へのおすすめ商品は世界株式としています。
しかし、株式投資について調べますと、世界経済の成長は米国市場の成長によるものが大きいと分かります。
実際に、過去200年間の成長率は世界株式平均が年5.5%に対して、米国株式は年6.5%と上回っています。

米国の成長を支える要因もしっかりしており、今後も伸びが期待できる要素が揃っています。
- 米国はAppleやGoogle、Microsoft、Coca Cola、McDonaldなど世界的に超有名な企業が集まっている
- 世界各国から資金と優秀な人材が集まっている
- 今後もイノベーションを起こせる環境である
こうした米国市場の魅力から、私含めて多くの投資家は、今後も米国市場が世界経済を上回ると考えています。
しかし、将来突然何があるかは予測できませんので、投資を始めたばかりの方へは世界株式への分散投資をおすすめしています。仮に全世界株式や先進国株式を選んだとしても、上の図で示したように50%以上の割合は米国になりますので、米国の経済成長を取りこぼす心配はありません。
そのため、基本スタンスには全世界株式が適切です。
結局どれを選べば良い?
どれを選ぶか迷った方は「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」だけ運用すれば大丈夫です。
名前の通り、全世界の株式に投資をしているため、リスクを抑えて十分なリターンが狙える商品です。
ちなみに全世界株式は、過去の歴史に学ぶと年平均5%のリターンを実現していますが、つみたてNISAで毎月3万円を20年間積立し続けると、20年後に以下のような金額まで資産を増やすことができます。

なんと、1228万円までも資産を増やすことが可能になるのです!
(累計積立金額:720万円、運用で得た利益:508万円)
また通常の投資は、利益の約20%にあたる約102万円が税金で引かれてしまいますが、つみたてNISAなら丸々利益が受け取れるのも嬉しいです♪
「どれを選べば良いか分からない!」という方は、この商品で投資生活をスタートすると良いと思います。
まとめ
以上、つみたてNISAの銘柄の選び方とおすすめ商品を解説しました。
長期投資を行う上でつみたてNISAはぜひ活用したい制度です。投資は奥が深いように見えて、実はシンプルに行うことができますので、ぜひ参考にして貰えれば嬉しいです。
〈関連記事〉
つみたてNISAをするのはSBI証券か楽天証券が一番です。

私は、2019年3月からつみたてNISAを始めています。最近の運用実績は、下の記事からご覧いただけます。