以前、「老後2000万円問題」がよくニュースで取り上げられていましたね。
今後は年金だけでは生きていけない、2000万円を貯めるのは不可能!
私の周りを見ると、そう考える人も増えてきているように思えます。
しかし、老後2000万円問題は、若いうちから対策をとっておけばそこまで悲観することではありません。
なぜなら、長期間積み立て投資をすることで、リスクを抑えながら資産を伸ばすことができるからです。
この記事では、そもそも2000万円という数字がどうやって出てきたか確認したあと、どのぐらいの金額を投資すると、何年後に、いくらになっているかをシミュレーションしていきます。
そして、現在の年齢と積立額によって2000万円問題が解決するかを見て頂きたいと思います。

たしかにシミュレーションを見ると、イメージがつきやすいピヨね
もくじ
そもそも“老後2000万円不足“の根拠は?
“老後2000万円”という数的根拠がどのように出てきたか、今一度振返ってみましょう。
総務省の家計調査(2017年)によると、一般的な高齢世帯(夫婦2人)のひと月の支出は26.4万円です。
一方、年金収入は20.9万円となっています。
つまり、この差額、約5.5万円が毎月不足する計算となります。
仮に90歳まで生きると仮定すると、年金生活の期間は30年間となり、およそ2,000万円が不足するという計算です。


なるほど、そういうことだったピヨね
積立投資を行うと将来いくらになるか
さて、将来の不足額が分かりましたので、それをいかに用意するかを考えていきます。
方法は2つ、現金預金の形で貯金を行う場合と、株式に投資を行う場合で考えていきます。
前提として以下の3点を考えます。
- 今回はインフレによる現金価値の低下は考えない
- 株式投資は積立方式とする
- 一度買った株は想定期間終了まで売らない
- 株は年利回り5%で上昇すると仮定
この中で、「株が年利回り5%で上昇するという仮定がそもそもおかしいんじゃないの?」と思われる方もいるかもしれませんが、この数字の根拠について少し詳しくご説明します。
世界株式のリターンは平均年5%
次のグラフは1900年から2017年までの118年間の世界各国の年間リターン平均値です。

赤丸で囲っているのは世界平均、日本、米国の3つです。
世界平均の年平均利回りは5.2%でした。
米国株式は6.5%、日本株式でさえ4%を超えています。
118年間という長期の実績を用いることで、次の20~40年間の想定が可能になります。
実際に、ここ16年間の米国株式(青線)と全世界株式(赤)の株価上昇を見ても、米国は年7.3%、全世界は年4.2%上昇しています。


コロナショックの真っ只中で計算しても利回りは年4-7%に収まっているピヨね
これらの結果から、年5%のリターンというのは決して無茶な数字ではないのです。
毎月いくら投資したら、将来どのくらいになる?
株式リターンの基準を5%に設定したところで、次の4パターンについて実際にシミュレーションをしてみます。
A. 毎月1万円を投資する
B. 毎月3万円を投資する(積立NISA)
C. 毎月5万円を投資する
D. 毎月10万円を投資する
〈パターンA. 毎月1万円を投資〉

年数 | 10年 | 20年 | 30年 | 40年 |
評価額 | 155万 | 409万 | 825万 | 1505万 |
元本 | 120万 | 240万 | 360万 | 480万 |
利益 | 35万 | 169万 | 465万 | 1025万 |
積立額が毎月1万円の場合、40年後の総資産は1500万でした。
しかし、残念ながら老後資金2000万には到達していません。
実は、40年後に2000万円を貯めるためには毎月約1万3100円を投資する必要があります。
ちなみに、投資をせず、貯金だけだった場合はどうでしょうか。
上の図をみますと、480万円でした。毎月1万の積立投資でも、40年後には1025万円の利益が入っています。(複利効果)
〈パターンB. 毎月3万円を投資〉

年数 | 10年 | 20年 | 30年 | 40年 |
評価額 | 466万 | 1228万 | 2475万 | 4515万 |
元本 | 360万 | 720万 | 1080万 | 1440万 |
利益 | 106万 | 508万 | 1395万 | 3075万 |
積立額が毎月3万円の場合、40年後の総資産は4515万円でした。
また、老後資金2000万は27年目に達成しています。
毎月3万円の投資というのは、つみたてNISAの枠を最大限使った場合になります。現在33歳の方は、つみたてNISAを行うだけで60歳時点で不足資金を用意できます。
〈パターンC. 毎月5万円を投資〉

年数 | 10年 | 20年 | 30年 | 40年 |
評価額 | 777万 | 2047万 | 4126万 | 7526万 |
元本 | 600万 | 1200万 | 1800万 | 2400万 |
利益 | 177万 | 847万 | 2326万 | 5126万 |
積立額が毎月5万円の場合、40年後の総資産は7526万円でした。
一気に総評価額が上がりましたね。
また、30年目の評価額と比べても30~40年目の10年間で3000万円以上増えています。
つまり、投資を始めるのが早ければ早いほど、若ければ若いほど投資を有利に進めていくことができるのです。
〈パターンD. 毎月10万円を投資〉

最後に、毎月の投資額を10万円にした場合のグラフが上の画像になります。
40年目には1億5052万円になっています。投資額を増やせば増やすほど、最終資産額は報われます。
また、2000万円はわずか13年で到達します。
目標をどこに置いて投資を行うか、それに適した行動は何なのか、考える余裕ができますね。
結局、投資はいつ始めれば良い?
投資はいつ始めるべきなのでしょうか。
答えは簡単で、「今」です。
「今」を逃すと人はどんどん歳をとってしまいます。
一度失われた「時間」は戻ってきません。
大事なチャンスを無駄にせず、将来のために、ご自身のために、ご家族のために積立投資を始めていきましょう(^ ^)

昔には戻れないピヨ
まとめ
以上、毎月の投資額と、投資年数に応じた総資産額を見てきました。
最低でも老後資金2000万円、より自由な生活のためにはさらに多くの資産を築いておきたいところです。
過去100年以上を振り返ると、積立投資を行うことで多くの資産が築けることが見えてきます。
さらに、早いうちから投資を行い、時間を味方につけることで目標額を達成しやすくなることが分かります。
株式投資をまだされていない方は、是非この機会に始めてみると良いでしょう。
投資は、積み立てる金額を多くすればするほど、投資を始める年齢が早ければ早いほど、目標金額を達成しやすい傾向にあります。一方で、投資に絶対はありませんので、あくまで余剰資金で行うことが重要です。
ご自身の生活スタイルや目標額に合った資産運用はなにか、この機会に考えてみて下さい(^^)
最後に、今回のシミュレーションに用いたサイトを示します。
今回はSBI証券のシミュレーターを使いました。
こちらのページでは毎月積立額や、積立期間、利回り、目標金額を設定すると将来資産をシミュレーションできます。生活スタイルや目標額に合った計画を策定してみて下さい。

ゆとりも、そろそろ積立投資を始めてみるピヨ
NISA ・つみたてNISAは、運用益が非課税になるお得な制度です。
NISAとつみたてNISAはどっちがおすすめ?メリット・デメリットなどを紹介!
iDeCoは節税効果が高いため、投資に踏み切れない方におすすめです。
資産運用をするならiDeCoがオススメ!初心者でも分かる特徴・メリットまとめ!
まずは投資の勉強をしたい方は、本を読んで投資の基礎基本をしっかり押さえましょう。
【株式投資】初心者におすすめな本10選!資産運用の本質や勉強方法が分かる本を選別!